2005年09月02日

ビヨンド・ザ・ロック 10

第十回 「『空手バカボン ナゴムコレクション』セルフ・ライナーノーツ」

 ナゴムレコードより「空手バカボン ナゴムコレクション」が発売された。空手バカボン…通称「空バカ」とは、僕(Vo.)、ケラリーノ・サンドロビッチ(Vo.)、内田雄一郎(G)によるテクノユニット、カラオケトリオである。80年代に活動。今回のCDは90年代にリリースされた空バカ・ベストをリマスタリング、新たに数曲を加えた豪華版である(諸事情で数曲減ってもいるんですが)。前回は印税契約もなく、一億枚売れたとてこちらには一銭も入ってこないデタラメ商品であったため一切協力する気もおこらなかったが、さすがに今回はそこら辺をキチンとクリアー。ミュージシャンの当然の権利が守られているとのことで、売り上げ促進に少しでも貢献すべく、ここにセルフライナーノーツを記してみようと思うのだ。

01.jpg

 「空手バカボン 結成のいきさつ
 そもそも一台のエレクトーンがきっかけであった。空バカのみならず、僕がロックを始めたのもこのエレクトーンの存在があったればこそなのだ。中学の同級生、内田雄一郎とコンビを組み、マンガ家を志していた当時15歳のオーケンであったが、作画作業の地道さに嫌気がさしていた。「もっと何かパッとした表現の手段はねぇもんか」とボヤけば内田氏が「うーん、そういえばうちの父がエレクトーンを買ったよ」と応えた。なんでもそいつで西城秀樹の「ギャランドゥ」などを父上は演奏しているらしい。
「ふ〜ん……お! よし、じゃあそいつで俺らロック始めようぜ!」
 ロックの歴史を紐といたところで、エレクトーンを導入したロックバンドというものを聞いたことがない。当時、僕はエレクトーンとシンセサイザーの区別がついていなかったのだ。勘違いの思い付きに、しかし内田が同意する。
「よし! じゃあ親父の部屋に集合だ
 どういうロックだよそれ。実際、エレキを持っている友人なんかも親父部屋に集め、内田の弾くエレクトーンを中心に、僕たちはロックバンドらしきものを始めた。舟木一夫の「銭形平次」などをカバー、ラジカセに吹き込み、その後みんなでコーラ飲みつつ聞き返しては「なんだよこれギャハハ!」と笑い合うという、まことに中坊魂に溢れたロック活動であった。ところがこのバカ・テープに尋常ならざる興味を示した者があった。ケラリーノ・サンドロビッチである。
 元有頂天のボーカリスト、現在では劇団ナイロン100℃の主宰として、演劇界の大先生であらせられるあのケラさん。この頃は単に、内田氏の高校の先輩であった。どこで入手したのか我々のデモテープを聞き「スゴい!」と興奮。「君らのやっている筋肉少年少女隊ってバンドに俺も入れてくれ」と、スティック持って高円寺のスタジオに現れた。結局加入には至らなかったものの、「今度、渋谷の『ナイロン100%』ってロックカフェで、俺の作った自主映画の上映会やるんだよ。それに大槻と内田で何か組んで出てくれよ。で、そいつに俺も参加させてよ」と持ちかけてきた。
 で、でっちあげたのが「空手バカボン」なんである。
 ライブ当日、内田は法事かなんかで来なかった。それで仕方なく、例のエレクトーンで内田がカラオケを作り、それに合わせて大槻、ケラが唄うというユニット・スタイルが出来上がったのではなかったか?ちがうかな?ん〜、覚えていない
 ライブの出来もひどいものであった(なんとその時の音源も今回のCDに収録されている。文句を言わせぬヒドさである)。だがケラさんは何が気に入ったのか、自分の作る自主制作盤レーベル「ナゴム」からソノシートを出す、と意気込んだ。とにかくヴァイタリティーのある人で、次々にライブもブッキングしてしまった。僕と内田は半ば彼に引っぱり回される形で、空手バカボンの活動を始めることになったのである。ちなみに内田氏は、その後も何度か法事でライブに来なかった

 「空手バカボン その名の由来」
 中高生特有の言葉遊びから発生したに過ぎない。「空手バカ一代」と「天才バカボン」を合わせた造語。他に候補がいくつかあり、「片腕バカボン」「人間バカボン」「軍艦バカボン」が有力であった……どれでも同じや。

02.jpg

 「空手バカボン ナゴムコレクション」セルフ・ライナーノーツ。
 DISC1
 1、オープニング。
 7曲までが83年発売ソノシート「バカボンのススメ」音源である。ナゴムレコード第2弾(第一弾は有頂天の「おすもうさんの唄」であった。)ジャケットはまついなつき氏。よく引き受けてくれたものだ。表紙隅に「幽霊の声入り」との小ネタを印刷してもらうよう当時僕は指定したのだけど、できあがってきたものからははずされていて、はずしたケラさんとケンカになった。彼の判断は正しかったと今は思う……さて1曲目はケラ氏と僕によるコントである。「さわやか宗教空手バカボン」の勧誘ナレーションという設定で信者を募っている。この後も曲間にコントが挟まれている。YMOの「増殖」やスネークマンショーの影響ではないかと思われる。大槻が台詞噛み噛みである。ケラさんはもちろん上手い。
 2「おおもうけバカボン」
 やっと曲が始まる。内田の親父のエレクトーンが無機質な重低音を発し、そこに大槻の、狂人としか思えないハイトーンが絡む。“沼に沈んだお前の姉さんの死体を私に売ってくれ”と弟に頼む金持ち。売りつけて金をもうけ「バカボンバカボン」と唄いまくる弟。歌詞内容も明らかに気が違っている。ケラのコーラスも内田のギターも絶妙。バンド1st 1曲目として最高のナンバーであると思う。実は初期筋少でもカバーしているが、空バカほどの狂人性は発揮することができなかった。
 3「踊れバンバン」
 その昔、テレ東で「踊れバンバン」という番組があった。司会野村義男氏。素人バンド対抗戦がスタジオで開催され、出演した高校生バンド「有頂天」を応援に駆けつけた僕は、ほっかむりに白衣でフロアーをはねまわり、「ベスト観客賞」をギタリスト鈴木賢司氏よりもらった。賞品は白いフォークギターであった。あのギターどこいったんだろう……それはさて置き2曲目は、架空宗教バカボン教教祖とその信者の問答が、やがて狂乱の「よいやさ音頭」になだれこんでいくという異常な展開である。ライブでは問答の部分に、その時その時の気になる言葉……例えば「萩本欽一55号に帰れ!」とか、なんかテキトーにバカな台詞をアドリブで叫んでいたように記憶する。
 4「私はみまちゃん」
 太った女の子「みまちゃん」が、太った娘だけの楽園へ勧誘されるという歌詞内容。鬼気せまるテンポ感である。大友克洋の漫画に登場する「あいちゃん」という少女にインスパイアされて詞を書いたような記憶もある。後にラップ風にアレンジして、ソロアルバム「オンリー・ユー」にも収録した。
 5「あの素晴らしい愛をもう一度」
 かの名曲をカバーした理由は覚えていない。後年「心の旅」を有頂天でカバーしたケラさんがいることから考えて、意外に「いい曲だから」とかだったりしたのかもわからない。後半のスットンキョウな女性コーラスは、内田の美術部の友人イケダチカコさんによるもの。彼女はその後マンガ家になったと聞く。それにしても内田氏のキーボード弾き間違いはすさまじい。意図しているようにさえ聞こえる。もちろん単に下手なだけだ
 6「バカボンのススメ」
 冒頭にしょーもないコントが入っている。「紅茶キノコ」がどうしたとかいっているのは内田。女性声はイケダ氏。曲間にもまたしょーもないコントが入っている。超能力者ユリ・徹・ゲラーが時計を動かしたりスプーンを曲げたりの実演という設定。よく聞くと、「動け」と「曲がれ」を言い違えて「うご〜れ」と言っている。 
 7「中央線ヤクザブルース」
 田舎からサーファーに憧れて上京した少年がヤクザ者に身をやつし、近所のコインランドリーの乾燥機に恋をするという歌詞内容。昭和歌謡なメロディーに、おそろしくアバウトな内田氏のギターが、奇妙な哀切を生んでいる。バカな唄だが、聞いていると感傷的な気持ちになる。たかだか18〜19歳の作った曲なれど、その年齢特有の閉塞感、不安感といった負の心情が根底にあるからかもしれない。ケラ氏の長台詞はさすがに演劇界でトップを張ることになる人の説得力。
 この歌は大槻主演、ケラ監督で8o映画にもなっている。後年「1980」で劇場映画デビューを果たすケラさんの初期作品である。
 「バカボンのススメ」は学芸大の貸しスタジオで録音された。ソノシートには「録音場所/空手バカボン教会」と記されていることから、もしかしたら僕の記憶違いであるかもしれない……ないよんな教会。
 
03.jpg

8「バカが戦車でやってくる」
 ここから14曲目までは85年発売2ndアルバム「孤島の檻」収録曲である。「孤島の檻」ジャケットは根本敬氏。よく引き受けてくれたものだ。後年「ケラに原画なくされた」と根本さん苦笑していた。
 「バカが〜」の前にまたショートコントが入る。ハードコアパンクバンドが「バカボンのススメ」を演奏していると、「最後のテクノバンド 空手バカボン」のメンバーがテクノを薦めに現れるという内容。テクノっつったってアンタ、エレクトーンじゃねえかよ! と思いつつ、パンクバンドのボーカル役は「木魚」のツネオ氏がゲスト参加している。
 楽曲はノンキな自己紹介ソング。いかに自分らがかっこいいかを唄い上げる。延々と後ろで聞こえる風の音は、後でケラさんが勝手に入れたもの、内田が「え〜何これ」と憤っていた。今となればあってもなくても大した問題じゃねぇよなと思う。
 9「福耳の子供」
 “遊んでくれない人を不幸にする福耳の子供”…ある種の妖怪、都市伝説を主題にした不気味な童謡。大槻のオリジナル寓話であるが、その後に少女マンガのモチーフとなるなど、実際にフォークロアとして一人歩きを始めた福耳の子供。筋肉少女帯の1stでもカバーしているものの、安っぽい恐怖感に満ちた空バカ・バージョンを越えてはいない。さびしく鳴るエレクトーンのリズムと、何より内田氏のあきれるほどいい加減なギターとが、空バカで一、二を競う名曲を作りあげている。ギタリストとしての自覚があまりない内田氏は、その“ノーソウル”な感じが逆に、他に類を見ないミョ〜な味をかもし出し、「孤島の檻」を経て次作「バカボンの頭脳改革」に至るころには、ド下手・ジェフ・べックとさえ呼びたくなるヘロへロサウンドとなって空バカ世界を実はリードしている。
 役者としての内田も妙でいい。「福耳〜」曲後のコントでは内田が、「アンタがうちのオバーちゃん殺したんでしょ」と通行人につめよる性別さえわからぬ謎の人物を演じている。「お骨見てよ!お骨!」というアドリブには、聞いてさえ腹の皮がよじれるほど笑ってしまう。
 10「パヤパヤ」
 「孤島の檻」の特色は、1st、3rdに対するその地味さであろう。テンション6くらいでタンタンと進んでいく。その分、静かな不気味さが際立つ。「パヤパヤ」は、一度とて外出したことのない少女が、初めて夜の街をさまようという歌詞内容。行く先々で怪しい人物が彼女に声をかける。その内の一人を演じているのは現在ニャ〜スの声でおなじみの犬山犬子氏であったりする。ブレイクの所でオーケンの声が「パ!」と一言あまるのは、録音時にリフレインの回数を間違えたため。よほど大きな間違いがなければそのままオッケーにしてしまうアバウトさが空バカの醍醐味であった。ベースラインがジョー・ジャクソン「ステッピン・アウト」風なのは狙いかな?
 11「2人と5人」
 このタイトルは吾妻ひでお氏のマンガから。「最後の遠足」と改題して筋少で二回カバー録音している。間奏で内田がEL&P「タルカス」のフレーズを弾いている。この曲の大槻のボーカルは、張るでもなくおさえるでもなく中途半端、どういうふうに歌ったものか考えている内に録音が終った記憶がある。
 12「のんきな兄さん」
 蛭子能収氏のマンガ「私はバカになりたい」に影響された詞内容。ちなみに「私は〜」に影響されたヒカシューは、蛭子氏マンガと同名の曲を演奏している。「のんきな兄さん」は、罪の意識を、「アホになって」気付かぬふりをしよう、という唄。
 曲後にまたコントが入る。“リューベン”なる人物と間違われる通行人の苦難。このシュールさも初期蛭子マンガを彷彿させる。リューベンとはリューベン&カンパニーのドラム、ボーカルであったリューベンさんのことである。「バラの嵐」という曲でその昔よく「銀座NOW」に登場していた。わけのわからぬエレクトーン・ユニットのコントに名を使われていたとはまったくリューベンさんも思いもよらぬことであろう。今になって申し訳がない。しかし、なんでリューベンさんをネタにしたのか? さっぱり思い出すことができない。女性の声は犬山犬子氏。
 13「空手バカボンの大脱走」
 仮題は「オタリア」であった。この頃から内田がエレクトーンではなくMTRを使い始めている。きっと、買ったばかりで使いたくてしかたがなかったのであろう。「ムニャ!ホイ!」などの合いの手は犬山氏。彼女はクレイジーサーカスという、植木等をディスコ調にアレンジするケラ氏バンドのメンバーでもあった。
 14「から笑う孤島の鬼」
 内田プログレサウンドの名作。筋少でも二度カバーしている。だがさっぱりキーのあっていない内田の歌がせっかくの名曲を台無しにしている。そこがいいという見方もできなくはない。「バカ!ボンボンボンボン」のコーラスを、何度やってもケラさんが吹き出してしまい録音にならなかったのを昨日のことのように思い出す。
 歌詞は、明らかに10代の閉塞感を唄っている。当時の僕は高校生で、親や社会や将来に対してどうにも抜け道を見いだせないモンモン・ティーンエイジャーであったのだ。青春の苦さを不条理な詞に託して歌い上げたのが「孤島の檻」。言うなればナゴム的尾崎豊でありオタク版ブルー・ハーツであったりする。
 
04.jpg

DISC2
 1「日本の米」
 DISC2は7曲目までが88年発売「バカボンの頭脳改革」収録曲。88年と言えば僕が筋肉少女帯でデビューした年ではないか。そんな大切な時期にこんなアホなもんを作っていたのだから、晴れてデビューも決まって勢いにのっていたのかもしれない。録音は吉祥寺のペンタスタジオ。連日「くだらね〜! これくだらね〜」と三人で腹かかえて笑いながら録音していた。今聴いたって本当にくだらない。一曲目は後に筋少で、そして特撮でもカバーすることとなる「日本の米」。「君は米を知っているのか!?米米」と叫ぶだけのノーミーニングロック。合間にまたコントが入り、劇団ナイロン100℃の性格俳優・美農介氏が僕とからんでいる。彼は曲中で美声コーラスも聞かせている。特筆すべきはこのアルバムより、MTRが多用……というか、エレクトーンが使われなくなっていることだ。ボブ・ディランがエレキに持ちかえた以上の大きなサウンドスタイルの変 貌、その真相は……内田の父ちゃんがエレクトーンを買い代えてしまったからだ。お父上御購入のエレクトーンが最新型でいい音過ぎ、空バカのチープサウンドに合わなくなったからと内田は後に語っている。
 親の都合でスタイルを変えたロックバンドなど、空手バカボン以外この世に存在せぬであろう。
 2「家族の肖像」
 「サザエさん」の登場人物を列挙し「だ〜け〜ど〜」と唄うだけのアホ曲に、名匠ルキノ・ビスコンティ映画のタイトルを付けている。途中のヴァイオリンは内田が粗大ゴミの日に拾ってきたものを彼が奏でている。間奏の大槻オペラ・ボイスはノーエフェクト。生涯で最もノドの調子がいいタイミングが記録されている。こんなアホ曲にだけども。
 3「先天よい子」
 仲丸栄子氏の詞に大槻が曲を付けている。仲丸さんは僕のバンド「猫のゆりかご」コーラスに応募してきた方で、戸川純の好きな不思議美少女であった。その後「アプリケーターズ」というバンドを組んでいた。ちなみに「猫のゆりかご」コーラスガール募集には、かの岡崎京子さんも応募されている。「いや岡崎さんにそんなことさせられませんよ」と恐縮して、渋谷ラ・ママの入り口あたりでご本人にお断りを入れた。
 4「7年殺し」
 アフロファンク。トーキング・ヘッズの「リメイン・イン・ザ・ライト」を内田に聞かせて、「こういうの作ってよ」と頼んでできあがった。確かにそっくりである。しかし、いかにも空バカ風に仕上げてある。卓越したアレンジ力である。ちゃんとエイドリアン・ブリュー風ソロまで入っていて、それさえちゃんと空バカ的にへタレにしてあるのだから。わからないけど。 ケラさんのアドリブも楽しい。
 5「屋根の上の猫とボク」
 小沢健二氏は少年の頃にこの曲を聴いて深く共感したとのことである。ネットのない時代に、サブカル少年が自分と同趣向の友を探すことの困難さ、見つけた時の感動を唄う歌詞内容。サブカル少年特有の、メインカルチャーにしか興味の無い連中を見下す視点もおさえている。ケラさんの童謡風な唄い方が叙情的である。内田氏のベースがジョン・ウエットンに影響されてかやたらとひずみだしたのはこの頃から?
 6「労働者M」
 MTRによる宅録ハードロック。ぜんぜんテクノじゃないじゃん。単に筋少のデモテープみたいとも言える。共同作曲者の前島明博氏は大槻の小学校同級生。彼の鼻唄と、石野真子の「日曜日はストレンジャー」に感化されて作られた曲。その後、筋肉少女帯でカバーされた時は、フツーにハードロックと認識され、KISSの「ラビング・ユー・ベイビー」によく似たアレンジをほどこされた。どこまでもテクノじゃないよ。
 7「KEEP CHEEP TRICK」
 「から笑う孤島の鬼」と並ぶ空バカ・プログレ面の成功作。社会から認められない自分とプライドとの葛藤の果てに、いっそ缶づめ工場に働いて誰にも気づかれず生涯を終えようと決めた、アマッタレ野郎についての唄である。「そんな根性じゃ缶づめだってつくれねえよ!」第一缶づめ工場の人たちに失礼だろ! と怒ってやりたい。
 空バカにおける大槻の詞は、10代特有の根拠なきプライド、そして劣等感とが、内に秘めるなら「孤島の鬼」「KEEP CHEEP」となり、ヤケクソにはじければ「踊れバンバン」「日本の米」と化した。デビューが決まり、世に出ていかざるを得なくなった時期に空バカの活動が終ったというタイミングは、少年期の終わりと考えるならば、まことに象徴的であったと今になって気付く。
 「バカボンの頭脳改革―残酷お子供地獄」のジャケットは桜沢エリカ氏。よく引き受けてくれたものだ。タイトルはEL&P「恐怖の頭脳改革」から来ている。
「バカボンの頭脳改革」から2曲、「バカボンのススメ」から一曲が今回のCDから収録を除外されている。
 キング・クリムゾンの「スターレス」に、勝手に詞を付け「バカボンの頭脳改革01&2」と改題した2曲。そしてYMOの「ライディーン」に勝手に詞を付け、「テクノ・ライディーン」と名付けたナンバー。あまつさえ「作詞作曲空手バカボン」とクレジットしていたのだ。当時、空バカ始めナゴム作品の全てがケラさんのずさんな経営によって印税契約がされていなかったので、「じゃあ作曲空バカでい〜じゃん、アハハハ!」との若気の至り、というかヤングの暴走であった。この度きちんと契約がなされるに際し、「さすがにそれまずいだろう」と、20数年目にして、作曲者のロバート・フリップ氏と高橋ユキヒロさんに「出していいでしょうか」とおうかがいをたてたものの、果たせなかった。当然である。俺らが明らかに悪いのだ。すいません。
 代わりに今回、もの持ちのいい内田氏が、自宅秘蔵の空バカ・ライブ音源を引っぱり出して来て、初収録することになった。6曲も入っている。「うわ!初めて聴いた。スゲ〜!!」そちらも解説を書きたいところだ。でも長くなった。またの機会に。


愛のブー劇場 

近い内アップ予定